
こんにちは!2024年8月に第一子出産予定の双葉です。
今回の記事は“助産院“についてです。
現在妊娠中の皆さん、出産する産院は決まりましたか?
総合病院はもちろん、地域の産婦人科クリニックや助産院など、お産ができる施設にはいくつか種類があります。
私は今回の出産は助産院ですることに決めました。
そこで今回の記事では、
- 助産院ってどんなところ?
- 助産院で出産するメリット・デメリット
- 私が助産院を選んだワケ
についてご紹介いたします。
「まだ産院を決めかねている」「どうやって選べばいいのか分からない」「助産院に興味はあるけれどなんだかよく分からなくて不安」など、産院選びに迷っている方の参考になりますように。
1.助産院ってどんなところ?
①「助産所」とは
助産所とは、厚生労働省のHPによると以下のように定義されています。
助産所の定義(医療法第2条)
「助産所」とは、助産師が公衆又は特定多数人のためその業務(病院又は診療所において行うものを除く。)を行う場所をいう。助産所は、妊婦、産婦、又はじょく婦10人以上の入所施設を有してはならない。
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/06/s0608-11/2a.html
ちょっとお堅い文章なので分かりづらいかもしれませんが、つまりは助産師さんが妊婦さんや出産をする人・した人に向けて開いている施設のことです。
また、日本助産師会のHPではこんな風に説明されています。
助産所とは、助産師を施設の責任者とする医療法で定められた施設です。緊急時の対応などについては嘱託医療機関と連携することで安全な助産ケアを提供しています。
助産所で行うケアには、妊婦健診やお産、また母乳ケアや育児相談などの産後ケアがありますが、それぞれのお母さんや赤ちゃんに寄り添ってケアを行うことが特徴です。
https://www.midwife.or.jp/general/jyosanjyo.html
病院と大きく違うのは、責任者がお医者さんではなく助産師さんということ。助産師さんは妊娠・出産・育児に特化したエキスパート。助産所はそんな妊娠〜育児のプロが一人一人に寄り添ってサポートしてくれる施設です。
また、助産所には医師がいないため、一切の医療行為ができません。
そのため麻酔や会陰切開、促進剤の使用などは行わず、普通分娩のみの対応になります。
病院だと当たり前のように行われる促進剤や会陰切開は、助産所ではありません。助産所で行われるのはとっても自然なお産です。
ですが、だからこそ分娩時に何か異常があれば、母子の安全のためすぐに連携している嘱託医療機関に搬送されます。
- 助産師さんが責任者の施設
- 妊婦さん、出産する人・した人と赤ちゃんのための施設
- 妊婦健診、お産、母乳ケアや育児相談などが行われる
- お母さんや赤ちゃんに寄り添ったケア
- 一切の医療行為が行えない
- 扱われる分娩は自然なお産(=普通分娩)のみ
- 緊急時には嘱託医療機関と連携している
②助産所を利用できる人
助産所で出産をするためにはいくつかの条件があります。
助産院で出産できるのは、母親自身に合併症などがなく母体の妊娠経過や赤ちゃんの発育にも問題がない場合のみ。
また、逆子や多胎(双子や三つ子)、帝王切開の経験がある人、胎盤の位置に問題がある場合なども助産所では出産できません。
出産以外の利用の場合は、もっと多くの人が助産所を利用できます。
母乳ケアや育児相談、離乳食の相談など、出産を助産所でしていない人も利用できるケアもたくさんあります。
施設によってはマタニティヨガや産後ヨガ、ベビーマッサージなどを行っているところもありますよ◎
- 母親自身に合併症がないこと
- 母体の妊娠経過に問題がないこと
- 胎児の発育に問題がないこと
- その他、逆子、多胎、帝王切開の経験がある、胎盤の位置に問題がある場合などは助産所での出産はできない
③助産所で出産するメリット
メリット1:リラックスして自由な体勢で産める
病院での出産は分娩台の上で行われますが、助産所に分娩台はありません。
ほとんどの助産所ではお布団の上で出産します。
決まった姿勢はないので、リラックスして自分のいきみやすい好きな姿勢で出産に臨むことができます。
また、助産所はとてもアットホームな雰囲気のところばかりです。加えて好きな音楽をかけたりアロマを焚いたりと、やりたいことがあれば柔軟に対応してくれるところがほとんどなので、妊婦さんの理想の空間でお産を迎えられます。
近年病院では感染症対策で立ち会いができなかったり制限が多かったりしますが、助産所は小規模のため家族やパートナーの立ち会いも可能です。
メリット2:妊婦や家族に寄り添ったサポートが受けられる
助産所では、妊婦健診からお産まで同じ助産師さんが担当してくれます。
毎回同じ助産師さんなので、妊婦健診では妊婦さんと赤ちゃんの調子を見るのはもちろん、気持ちの面にもきちんとフォーカスを当ててお話できます。
助産師さんと関係をしっかり築いていけるからこそ、一人一人に寄り添った丁寧なサポートを受けられます。
また、助産院はパートナーや家族も妊婦健診に同席できることがほとんどです。妊娠を妊婦さん1人だけでなく家族の出来事として取り扱えるので、お産まで家族まるごとお世話になれます。
メリット3:会陰切開がない
助産所では一切の医療行為ができません。つまり、逆に言えば会陰切開をされないのです。
病院では当たり前のように会陰切開がされていますが、できるだけ切開はしないで欲しいという方も多いですよね。
助産所でのお産はゆっくり自然に進んでいくので、会陰も自然に伸びるのを待つことができます。産むときに多少の裂傷ができたとしても、自然にできた傷からはそこまで出血も多くなく、数日のうちに治ってしまうことが多いそうです。
助産師さんはお産のプロ。会陰の裂傷も少なくなるよう、お産のペースをリードしてくれます。
ただし、会陰切開や促進剤等の処置がないため、自ら出産に向けてきちんと準備する必要はあります。病院やお医者さんに産ませてもらうのではなく、自分と赤ちゃんと家族みんなで力を合わせて産む。助産師さんはそれを全力でサポートしてくれます。
メリット4:産後のケアも手厚い
助産院は一度に受け入れる人数が病院よりも少ないこともあり、産後のサポートもとても手厚く、一人一人に寄り添った対応をしてもらえます。
家族も一緒に入院できる所もあるので、家族にも沐浴などの指導をしてもれることも。分からなかったり不安なことがあれば、いつでもすぐに相談することができます。
母乳ケアや育児相談などの退院してからの産後ケアも充実しています。
また、入院中のご飯にこだわっている所も多いです。食べたものから体は作られるので、産後の回復や母乳に良いこだわりのご飯を提供していることが多いです。
その分病院よりも産前・産後の食事指導がきっちりしているケースも多いかもしれません。
- 自由な姿勢で出産できる
- できる限りの理想の空間でお産に臨める
- 担当助産師さんとの関係をしっかり築ける
- 会陰切開がない
- 受け入れ数が少ないのでサポートが手厚い
- ご飯が美味しい
④助産所で出産するデメリット
デメリット1:緊急時の対応に時間がかかる
常に医師がいる病院と違って医療行為のできない助産所では、何か異常があった場合早めの判断が求められます。
緊急時には提携している嘱託医療機関に直ちに搬送されますが、病院に比べると対応に時間がかかります。(最低限の医療処置は嘱託医との契約があり助産所で行われることがあります)
デメリット2:分娩直後から母子同室
これは人によってメリットともデメリットとも捉えられますが、助産所では基本的に分娩直後から母子同室です。
分娩直後はゆっくり休みたいから預かってほしいという別室希望の方には向かないかもしれません。
もちろん何か困ったことがあれば助産師さんは親身に相談に乗ってくれるので、まずは相談してみましょう。
デメリット3:無痛分娩などはできない
助産所では医療行為が行えないので、最近選択する人が増えている無痛分娩などの麻酔を使った分娩はできません。
対応しているのは普通分娩のみなので、無痛や和痛を希望している人には向いていません。
- 緊急時の対応に時間を要する
- 分娩直後から母子同室
- 麻酔を使った分娩はできない
2.私が助産所を選んだワケ
①信頼関係を築ける
はじめに妊娠が分かった時、人に相談するのが苦手な私は「長いようで短い妊娠期間、信頼できる相談相手がほしい!」とすぐに思いました。
けれど、心拍確認のために受診した病院だと検診のたびに担当してくれる看護師さんや助産師さんが違うので、不安なことや気になることがあってもなかなか聞きづらい…。総合病院での分娩の話を聞いていると、担当医師ですら誰になるか分からないこともあるそうで…。
その点助産所なら毎回同じ助産師さんが健診をしてくれるので、しっかりと関係性が築けるし、前回の健診からの変化を助産師さんも把握してくれてとても安心感があります。
健診から分娩、産後のケアまでずっと同じ助産師さんだから、出産時にも安心・リラックスして臨めるし、産後に困ったことがあっても相談しやすいのはとっても大きなメリットです◎
②妊婦健診にパートナーや家族も参加できる
病院では未だに感染症対策で付き添い不可・制限があったり、パートナーは待合室に居られなかったりする所も多いですが、助産所の健診はパートナーや家族の立ち会いが可能です。
健診時間も、数分で終わってしまう病院とは違い、毎回1時間近く時間を取ってゆっくりと心と体に向き合ってくれます。
男の人は子どもができても自分の体に変化がないからこそ、一緒に親になる準備をしたかったので夫が健診に参加できることは私の産院選びにおいて必須条件でした。
上のお子さんがいるご家庭では、お子さんも一緒に健診に来ることもよくあるそうです。赤ちゃんを迎えるのはお母さん1人ではなく、家族みんなです。家族にも当事者意識を持ってもらうのって大事ですよね。
③サポートが手厚い
助産所の良いところはなんといってもそのサポートの手厚さ!
受け入れが少人数だからこそ、健診から産後まで手厚いサポートが受けられるというのが決め手の一つでした。
最初から最後まで何があるか分からない妊娠期間、受けられるサポートはより手厚い方が安心です。そして、家族も一緒にそのサポートを受けられるのも大事。
一人一人に寄り添った健診をはじめ、産後の沐浴指導や授乳に関する相談など、こんなこと聞いてもいいのかな?ということでもしっかり受け止めて相談に乗ってくれます。
私自身も初めてのことばかりの新生児との生活で、夫に「これはどうするの?」「なんでこうなの?」とあれこれ聞かれても、きっと私にも分からないことだらけでイライラしてしまいそう。
助産所で夫も一緒に授乳や沐浴などの新生児との生活のことを教えてもらえたら、夫も私も心にほんの少しゆとりが生まれると思います。
④母子同室
病院でも方針によって母子同室のところはたくさんありますが、助産院が病院と違うところは生まれてからずっと赤ちゃんが目の前にいるということ。
もちろん生まれてすぐにカンガルーケアもできますし、今赤ちゃんがどんな処置を受けているのかがわかります。
私は生まれてすぐの赤ちゃんが、自分の見えないところに連れて行かれてどんな処置をされているのか分からないのがなんとなく嫌だと思ったし、なるべく一緒にいたいなと思います。
受け入れが少人数で個室の助産院では、母子同室だからといって放っておかれるわけではないし、赤ちゃんが泣き止まないからといって迷惑をかけることを気にする必要もありません。母子同室だからお母さんが休めないというわけでは無いのです。
手厚いサポートが受けられて、かつ赤ちゃんとなるべく一緒にいられることにとても魅力を感じました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
助産所は病院とはできることとできないことが違います。
「助産院は自然派の人が行くところ」
「助産所で産むのはなんだか危なそう」
など、助産所に対してあまりポジティブなイメージが無かったり、助産所を知らなかった人も多いと思います。
もちろん病院には病院のメリットがありますが、助産所での出産にも負けず劣らずのメリットがあります。
どちらを選択するかは自分次第ですが、一生に何回も無いお産をする場所として助産院の選択肢を知らないことは勿体無いことだと思います。
産院を選ぶ際には、妊娠から出産までで何を大切にしたいのかを一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか?
- 妊娠・出産に関して頼れる人を作りたかった
- 夫も一緒に親になる準備ができる環境が良かった
- 妊娠中〜産後まで自分、家族ともに手厚いサポートを受けられる
- 生まれた直後から赤ちゃんと一緒にいたい